材料特性 材料硬度計測データ提供

東邦化研では硬度計測のご要望にもご対応いたします。硬度計測では材料の硬さをより正確に図る為に計測面の平滑化が求められます。前処理として樹脂埋めや研磨を必要とします。これらの前処理も対応可能です。計測するにあたって大きさや形状・重さなどの制限がございますので、一度お問い合わせください。

ビッカース硬度計測

硬さ(硬度)計測は、材料(計測対象物)の表面近傍における局所的な材料試験であり、材料特性を知る上でそのファクターの一つとなります。硬さ計測は測定対象物に与える変形、算出方法により様々な試験法があり、その測定対象とする材料(金属、樹脂、ゴム、セラミクス等)によって試験法が選択されます。
一般工業的に用いられる方法は押し込み硬さで、計測対象面に永久変形を与え、その時の試験力(荷重)と変形した寸法から硬さを算出する方法です。これにはブリネル硬さ[HB]、ビッカース硬さ[HV]、ロックウェル硬さ[HRC,HRA]などがあります。

ビッカース硬さの計測法

他にも計測対象面に標準体を衝突させた時の反発を計測する動的硬さ(ショア硬さ[HS])や、引っ掻き硬さ、簡易性優先のポータブル硬さ、古くから用いられている鉛筆の硬さなどがあります。
その中でもビッカース硬さは、任意の試験力で試験できる最も応用範囲の広い試験方法と言われています。ビッカース硬さは、圧子(対面角136°のダイヤモンド正四角錐)に試験力F(N)を加えて計測対象物にこれを押し込みます。圧子を取り除いた際にできる永久変形のくぼみの対角線長さd(mm)から接触面積S(mm2)を算出します。これで試験力を割った値がビッカース硬さ[HV]です。

マイクロベアリング

軸受の材料は、転がり疲労に強い、耐摩耗性が大きい、寸法安定性、機械的強度が大きいなどの特性が要求され、一般的に高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)、錆の発生する恐れのあるところや高温ではステンレス鋼(SUS440C)が用いられます。 用いたマイクロベアリングの材質は高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)です。作製した断面試料にて、マイクロビッカース硬さ試験機でボールベアリング3個の硬さ比較を実施しました。

測定条件

『JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験-試験方法』に準ずる

  • 試験力HV0.3(0.3kgf≒2.942N)
  • 負荷時間4.0sec
  • 保持時間10.0sec
  • 除荷時間4.0sec
  • 接近速度60.0μm/sec
  • 試験温度21.5℃
  • くぼみのサイズ20μm以上30μm未満/縦横差5%以内
  • くぼみの中心間の距離0.10mm
  • くぼみの中心から
    試料の縁までの距離
    2.5mm以上

サンプルは琢磨し鏡面としたものを計測
①~③の3個のボールベアリング中央付近にて各3回計測

撮影したマイクロベアリング全体像(ベアリング系4.77mm)

高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)の硬度は焼き入れ後、ロックウェルCスケール硬さ[HRC]で62~65程度だと言われています。
今回計測した①~③のビッカース硬度の平均が818.7HV0.3であり、HRCでは64~65に相当することがわかりました。

圧痕の画像と計測箇所別のHv(Av)とσの値

焼き入れ材-1(硬さ試験による有効硬化層深さ計測)

一般的に機械部品として最も用いられている鋼材は、硬さや粘り強さ、機械的強度など使用目的に合わせた様々な特性を求められます。それを満たすため、適当な条件において熱処理を行うことで組織を変化させ、求められる特性にあった性質にします。
熱処理によって組織の標準化、内部ひずみ除去、強靭性の付与などを行いますが、機械部品によっては表面のみ硬くしたり耐摩耗性を求められる場合があります。その際は表面の硬化、強化、潤滑化、改質処理により表面近傍のみその性質を変化させます。
機械構造用炭素鋼は自動車や機械部品など幅広い分野の機械部品として用いらており、S10~S28Cのなかで焼き入れ可能なのはS28Cからです。
そのなかでC(炭素)含有量が0.42~0.48%であるS45Cに対して表面硬化処理を施した円柱部材の焼き入れ深さを検証しました。ちなみに表面硬化処理は、部分焼き入れで最も広く使われている高周波焼入法によるものです。

撮影したS45C(25mm)の全体像

計測条件

『JIS G 0559 鋼の炎焼入及び高周波焼入硬化層深さ測定方法』に準ずる

硬さ試験による計測方法

『JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験-試験方法』に準ずる

  • 試験力HV0.3(0.3kgf≒2.942N)
  • 負荷時間4.0sec
  • 保持時間10.0sec
  • 除荷時間4.0sec
  • 接近速度60.0μm/sec
  • 試験温度21.5℃
  • くぼみのサイズ20μm以上40μm未満/縦横差5%以内
  • くぼみの中心間の距離下図参照
  • くぼみの中心から
    試料の縁までの距離
    下図参照

サンプルは琢磨し鏡面としたものを計測

有効硬化層深さ計測Map

S45C高周波焼き入れ材の硬度計測結果

JISに記載してある有効硬化層の限界硬さによると、鋼の炭素含有率が0.43以上0.53未満の場合ビッカース硬さで450HVのところになります。
よって上図より有効硬化層深さは、1.72mmであることがわかります。[硬化層深さ表示:HD-H0.3-E(450)1.7]

焼き入れ材-2(マクロ組織試験による全硬化層深さ計測)

上記有効硬化層深さ計測時同様に琢磨で鏡面仕上げした試料で、マクロ組織試験による全硬化層深さを測定しました。

ナイタルによる腐食後

計測条件

『JIS G 0559 鋼の炎焼入及び高周波焼入硬化層深さ測定方法』に準ずる

  • 腐食液5%ナイタル溶液(硝酸:エタノール=1:19の比で混合したもの)
  • 計測マイクロスコープによる計測(20倍)

サンプルは琢磨し鏡面としたものを計測

結果、全硬化層深さは、2.05mmであることがわかりました。[硬化層深さ表示:HD-M-T2.1]

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